■SLSとは?新たなフォーマットのサンタモニカ大会
**Street League Skateboarding(SLS)**は、スケートボード競技を世界的に確立した先駆的なリーグです。2025年、SLSは新フォーマットを導入し、より進化した形で再スタートを切ろうとしています。
今回はその歴史、構造、オリンピックとの関係、そして5月23日に開催される「SLSサンタモニカ・テイクオーバー」の概要までを網羅的に紹介します。
■SLSの歴史と基本構造
SLSは2010年、プロスケーターであり起業家のRob Dyrdekによって設立されました。大会は毎回、開催都市ごとに設計された特設スケートパークで行われ、世界トップレベルの選手たちが技を競います。
基本ルール(2024年までの形式):
- 2ラン+5トリック
- 採用スコア:ベストラン1本+ベストトリック2本の合計(30点満点)
- 審査基準:技の難易度、完成度、スタイル、セクションの活用度
特に注目すべきは「9クラブ」というSLS独自の演出。1つの技が9.0点以上を獲得すると、その瞬間が盛り上がる特別な称号となり、観客の熱狂を誘います。2025年マイアミ大会では、ナイジャ・ヒューストンが通算103回目の「9クラブ」を達成しました。
■シーズンランキング制度とプロへの道
SLSは年間シリーズとして構成されており、各大会で獲得したポイントの合計によりシーズンランキングが決定。その上位者が**年末の世界選手権「Super Crown」**への出場権を得ます。
また、SLSは高額賞金制度でも知られ、年間総額は約180万ドル、Super Crownの優勝賞金は10万ドル以上。この賞金と注目度の高さが、世界中のスケーターを惹きつけています。
新鋭発掘の仕組みも充実:
- Pro Open(予選型)
- SLS Futures(ジュニア育成)
- APEX(地域代表枠)
これらの仕組みにより、新たな才能が次々にプロの世界へと羽ばたいています。
■オリンピックとSLSの関係
スケートボードは2016年にオリンピック正式競技となり、それに伴いSLSはWorld Skateと提携を結びました。これにより、SLSのワールドツアーおよびSuper Crownはオリンピック出場資格に直結する公式世界ツアー・世界選手権と位置付けられています。
2024年パリ五輪には、SLS出場選手が37名も選出され、事実上「SLS=オリンピックへの登竜門」となりました。現在では、SLS年間チャンピオンがそのまま**「世界王者」**として認知されるようになっています。
■そして2025年へ:新フォーマット「スポット・テイクオーバー」
2025年からは、**新フォーマット「スポット・テイクオーバー」**が始動。これは実在する伝説的スポットをモチーフにしたセクションで行う形式で、従来のスタイルとは一線を画します。
新フォーマットの概要:
- 7回のベストトリック形式
- 採用スコア:上位3本の合計(最高30点)
- 最初の開催地はサンタモニカ・トリプルセットをモチーフとした会場
この形式はリアルなストリート感を重視し、選手の創造性と適応力が問われます。より観戦の面白さが増すと注目されています。
■まとめ:SLSが描くスケートの未来
SLSは、競技性・カルチャー・スター育成すべてを融合させた、スケートボード界の革新的リーグです。2025年の新フォーマットを経て、さらなる進化を遂げることでしょう。
**SLSを知れば、スケートボード観戦がもっと楽しくなる。**これからのスケート界の動向に、ぜひ注目してください。
引用・参考リンク:
- Street League Skateboarding 公式サイト
- World Skate公式サイト
- 2024–2025 SLSツアースケジュール発表資料
- Skateboarding Olympic Qualification Framework(World Skate)
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